シンエヴァンゲリオンに心をやられた話

シンエヴァに心をブッ壊された。

  

 中学1年から知ったエヴァンゲリオンが、24歳になる今年に完結編という形で最後の映画上映を行うと発表があった。

その時はただ自然に「あ、エヴァが終わるんだ」と軽い気持ちだった。

それと同時に、心のモヤモヤが出てきた。今まで感じた事がないくらいの心のモヤモヤだった。

  映画公開のCMが流れ始め、twitteで流れてくる公式からの映画情報、すべてをチェックして上映開始まで過ごしてきた。緊張で眠れないくらいワクワクして、寝起きのまま電車に飛び乗り、映画館へやってきた。

自分の青春を捧げたといっても過言ではないアニメの最終回は、本当に納得のいく完璧な映画だった。

 

しかし、完璧すぎた故に、僕の心は崩壊した。

 

今回のシンエヴァンゲリオンは、僕が思うに「大人になること」がテーマだと思う。

 作中で子供の象徴だった碇シンジは、「自分だけを守る」「自分で決断が出来ない」「自分で決めた事に責任を持たない」「人の優しさを受け取れない」「人の死を受け入れられない」「人の気持ちに寄り添えない」など、中学2年生という思春期を完璧に表現したキャラクターだった。

  でも、シンエヴァのシンジは大人になっていた。

 

シンエヴァンゲリオンの冒頭では、Qでカオル君の死を目の前で見てしまったシンジは失語症になってしまい、アスカやレイ、大人になったトウジ、ケンスケに話しかけられても一言も話さなかった。

 碇シンジがニアサードインパクトを起こし、その後サードインパクトが起こった事で殆どの人間が死滅してしまい、生き残った人間で作った村「第三村」で生活していた。その中には、14年前シンジの友達だった、鈴原トウジ相田ケンスケ達がいた。

彼らは失語症になったシンジに本当に優しく接してくれていた。

 

でも、シンジにはその優しさが辛かった。自分のせいで親友が死んでしまった。自分のせいで沢山の人が死んでしまった。なのに、なんでみんな優しくしてくれるんだよ!

シンジは、ただひたすらに泣いて泣いて泣いて、大人になった。

そして、黒波がLCLになってしまうシーンでは、今までのシンジでは泣き叫んで、自分のせいだと嘆いて落ち込むだけだっただろう、でも違った。

辛い体験をして、自分のせいだと嘆いてばかりでは何も変わらないし変えられないと、理解できたシンジは、エヴァに乗る事を心に決める。

「人の死を受け入れられる」大人になった。